著訳者紹介


*データは原則として刊行時のものです*

 

實渊洋次
みぶち・ひろつぐ

1973年生まれ。関西大学大学院文学研究科博士課程在学。主要論文に「手の参与:フィードラー『藝術活動の根源』における「表現」について」(『関西大学哲学』 第25号 2005年)。(2007年12月現在)

 

實渊洋次の書籍一覧]

ポール・セザンヌ《サント・ヴィクトワール山》
北イタリアの巡礼地の生成と変貌

[著者]ゴットフリート・ベーム
[著者]岩城見一+實渊洋次

セザンヌが獲得した〈画像言語〉が「見ることに徹底すること」であると理解したとき、それが私たちの現実の見方を方向づけそこに描き出された絵画世界を一変させる。従来のセザンヌ理解を批判的に論じたベームの解釈学的実践の試み。────
セザンヌの芸術は、ひょっとすると20世紀絵画にとっての最も重要な基点を表しているかもしれない。セザンヌは、伝統に属す最後の画家であると同時に、キュビストから現在にいたる画家たちの模範ともなっている。
ゴットフリート・ベームは、セザンヌ後期作品に属す《サント・ヴィクトワール山》の画像上の成果に即して、いかにして観者が目に見える経験としてこの絵画と親密になれるのかを、そして、セザンヌが行った現実解釈の根本的な意味が実質的にどこにあるのかを示す。セザンヌ絵画の最も重要な展開の道筋と通過点が、ここで扱われる主作品を越えて提示されている。証明のために選び出された数々の証言により、哲学、文学にまでおよぶセザンヌの影響史のいくつかの視点も示されている。

[書評]
『美学』233号(2008年冬)「論文・新刊紹介」、評者:永井隆則氏

定価=本体 2,600円+税
2007年12月15日/四六判上製/216頁+カラー折込図版/ ISBN978-4-88303-216-7

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