著訳者紹介


*データは原則として刊行時のものです*

 

ゴットフリート・ベーム
Gottfried Boehm

1942年、ブラウナウ(ボヘミア地方)生まれ。ケルン、ウィーン、ハイデルブルクで美術史、哲学、ドイツ学を学ぶ。1968年、哲学博士号取得。1974年、ハイデルベルクで美術史の教授資格取得。1975年から79年まで、ボッフム・ルール大学、美術史の講師および員外教授。1979年から86年まで、ギーセン・ユストゥス・リービッヒ大学美術史担当。1986年より、バーゼル大学近代美術史部門正教授。2001/02年、ベルリン学術協会会員。2005年より、ドイツ政府重点研究拠点(NFS=Nationaler Forschungsschwerpunkt)、「画像批評」部代表。2006年7月より、ハイデルベルク学術アカデミー会員。主な研究領域:ルネサンスおよび19・20世紀の美術、原題美術。ジャンル論(特に、自画像、風景画、静物画)。画像理論と画像史、方法論と解釈学、芸術理論。

 

ゴットフリート・ベームの書籍一覧]

ポール・セザンヌ《サント・ヴィクトワール山》
北イタリアの巡礼地の生成と変貌

[著者]ゴットフリート・ベーム
[著者]岩城見一實渊洋次

セザンヌが獲得した〈画像言語〉が「見ることに徹底すること」であると理解したとき、それが私たちの現実の見方を方向づけそこに描き出された絵画世界を一変させる。従来のセザンヌ理解を批判的に論じたベームの解釈学的実践の試み。────
セザンヌの芸術は、ひょっとすると20世紀絵画にとっての最も重要な基点を表しているかもしれない。セザンヌは、伝統に属す最後の画家であると同時に、キュビストから現在にいたる画家たちの模範ともなっている。
ゴットフリート・ベームは、セザンヌ後期作品に属す《サント・ヴィクトワール山》の画像上の成果に即して、いかにして観者が目に見える経験としてこの絵画と親密になれるのかを、そして、セザンヌが行った現実解釈の根本的な意味が実質的にどこにあるのかを示す。セザンヌ絵画の最も重要な展開の道筋と通過点が、ここで扱われる主作品を越えて提示されている。証明のために選び出された数々の証言により、哲学、文学にまでおよぶセザンヌの影響史のいくつかの視点も示されている。

[書評]
『美学』233号(2008年冬)「論文・新刊紹介」、評者:永井隆則氏

定価=本体 2,600円+税
2007年12月15日/四六判上製/216頁+カラー折込図版/ ISBN978-4-88303-216-7

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