東アジアにおける〈書の美学〉の伝統と変容

[編者]神林恒道萱のり子角田勝久

「書は美術か否か」。小山正太郎と岡倉天心の論争を起点に、日中韓、そして欧米の研究者が「書く」ことの美を問う画期的論集。東西のまなざしの交差によって、“東アジアの伝統文化”を超えた〈書の美〉が立ち現れる。 (「東アジア文化都市2015新潟市」での国際シンポジウム報告集。日本語と英中韓の二言語表記)

[書評・紹介]
《書道美術新聞》2016年5月1日(第1075号、美術新聞社)
《毎日新聞》2016年5月12日夕刊、記事:桐山正寿氏
『書道界』2016年7月号(No.320、藤樹社)、「書巻の気」150、評者: 臼田捷治氏
《新潟日報》2016年7月3日、「にいがたの一冊」、評者:並木誠士氏
『墨』2016年9・10月号(242号、芸術新聞社)、評者:淺沼圭二氏、松村茂樹氏

定価=本体 5,200円+税
2016年4月10日
A5判上製/504頁/ISBN978-4-88303-405-5


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  まえがき/萱のり子 10
  シンポジウム開催にあたって/神林恒道 26
  [基調論文]書の美学――東西の美の間で/神林恒道 28

中国における書法の伝統
   中国哲学における伝統の形成――文字学/加地伸行 46
  〈流日半巻本〉により台北故宮博物院蔵《自叙帖》は懐素真跡に非ずを論ず/傅申 64
   中国最大の奥書――579年に鐵山に刻まれた《石頌》/ロタール・レデローゼ 80
  書法作品の中の運動と空間/邱振中 98
  美的カテゴリーとしての逸品――中国芸術論における書から絵画へ/ヨーレン・エスカント 112
  現代中国における書の実験――徐冰の作品を例として/劉悦笛 144

新潟の書の伝統
   〈序論〉新潟の書の伝統/角田勝久 172
  良寛の書の特質と魅力/角田勝久 192
  近代習字教科書における菱湖流と顔法――文字の学びやすさに着目して/清水文博 198
  會津八一の仮名書にみる伝統と革新について/喜嶋奈津代 204
  江口草玄/松矢国憲 212
  現代の日本の書を考える/野中浩俊 220

韓国・日本における書の変容
   韓国のハングル書芸について――ハングル書芸の変遷と中国書法との関係/朴聖媛 228
  韓国の芸術文化、その「モッ」の世界/閔周植 266
  中国書法の影響と和様の書/島谷弘幸 296
  和歌をつむぐ書――仮名の詩情/萱のり子 336
  アメリカにおける日本の書のコレクター――意味を超越した理解/ジョン・カーペンター 364
  戦後の日本前衛書道と欧米抽象絵画における余白の概念について/ジェーニャ・ボグダノワ 384
  書と抽象絵画――1950年代の二つの実践/尾ア信一郎 412

《共同討議》コンピュータ時代における書の可能性 436
  パネリスト:下野健児/潘ファン(ネ+番)/閔周植/尾ア信一郎/ジェーニャ・ボグダノワ/ジョン・カーペンター
  司会:萱のり子

《ワークショップ報告》 交流と理解のために
  新潟大学/東京学芸大学/奈良教育大学/安田女子大学 468

  あとがき/神林恒道 494
  著訳者紹介 498


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