[目次]
はしがき 8
第1章 思い出すことは物語ることである 9
―読者は物語を必要としている
1 はじめに 9/2 過去 11/3 モノローグ 13/4 記憶 15/5 結び 19/注 20
第2章 発話行為の成立が線的であることの強制と自由 22
―そして日本語における停滞可能な発話について
1 はじめに 22/2 発話行為の諸要素 22/3 音声言語と文字言語 25/4 日本語における発話行為 27/5 日本語における停滞を伴う現前化 30/6 結び 32/注 32
第3章 作品と受容者のインターテクスチュアリティ 33
―受容者は能動的である
1 はじめに 33/2 言語テクスト作品―読者と作品内世界の仲介者としての語り手 36/3 言語芸術以外の作品の「語り手」 41/4 結び ―インターテクスチュアリテイと受容者の役割 44/注 46
第4章 意味生成を可能とする普遍原理としての間テクスト性 47
―意味伝達の障壁を克服する間テクスト性の働き
1 はじめに 47/2 超表象形態・間テクスト性―文化内表象の形態内相互的間テクスト性 49/3 表象形態内・間テクスト性と超表象形態・間テクスト性 52/4 超表象形態・間テクスト性 54/5 間主観性と公共性と超表象形態・間テクスト性 56/6 結び―自己と他者の確立の原理としてのテクスト生成 60/注 62
第5章 それ自体であることの円環 64
―テクストとしての自己と他者
1 はじめに 64/2 見る者と見られる対象の相互性 67/3 結び―自己同一性と間主観性 73/注 78
第6章 テクスト外参照性を封じる語り手の声 80
―アゴタ・クリストフ『悪童日記』における拒絶する語り
2 はじめに 80/2 語りの時間と語られる時間の判定 81/3 エピソードがストーリーになっている 84/4 「ぼくら」の成長の物語である=戦争の進展の物語である=教養小説である 85/5 心理描写はどこにもない 87/6 二重の外部と二重の疎外 89/7 結び―語りの声の単声性とすべての声の単声性 92/注 95
第7章 「間文化性概念」による「多文化主義」の再構築の試み 97
―空虚なシミュラークルの限界と持続性を求めて
1 はじめに 97/2 多文化主義の限界 101/3 多文化主義におけるアイデンティティ 102/4 結び 108/注 110
第8章 文化の複数性原理における自己と他者 112
―〈多文化主義〉を問い返す反復する問い
1 はじめに 112/2 文化の主体 114/3 結び 121/注 124
第9章 翻訳の〈前提/結果〉としての「多文化性」 126
―〈個々の/総体としての〉〈テクスト/文化〉が〈依拠する/作り出す〉〈独自性/普遍性〉
1 はじめに 126/2 翻訳と独自性/普遍性 132/3 結び―多文化性・独自性・普遍性 136/注 138
第10章 唯一であることの相対的価値 139
―芸術作品における内在性と行為性
1 はじめに 139/2 内在性と行為性 142/3 結び―唯一であることと受容者と芸術作品の相関性 150/注 153
第11章 グローバリゼーションの原理としての記号的従属および動的編成と相互変容 155
―個人と文化の相互的生成と変容
1 はじめに 155/2 記号の動的編成と相互変容から作品内在性へ 159/3 結び 162/注 163
第12章 世界理解の表出としての言語テクストと図像テクスト 164
―ボッシュとゴヤの絵画を例として
1 はじめに 164/2 ゴヤにおける図像テクスト 165/3 ボッシュにおける図像テクスト 171/4 結び 181/注 184
第13章 図像の働き、非在と在 186
―言葉と図像のナラトロジーを考察する
1 はじめに 186/2 人の図像表象 189/3 結び―語る行為と見る行為 200/注 203
第14章 〈言葉を用いる〉ことと〈図像を用いる〉ことのつながり 206
―意味はいかにして作られるか
1 はじめに 206/2 表象行為は動的行為である 210/3 結び―存在を現出させる表象行為 215/注 222
参考文献一覧 224
あとがき 236 |