コロニアルな列島ニッポン

オキナワ/オホーツク/オガサワラがてらしだす植民地主義

[著]ましこ・ひでのり

そもそも沖縄・「北方四島」・小笠原は「日本固有の領土」なのか。安保体制が日本国憲法に優越するなど列島全域が準植民地であるという経緯もふくめ、二重の意味で日本は戦後一貫して「植民地」というほかない。歴史的現実からめをそらす防衛機制からうまれた構造的死角をあきらかにする。

定価=本体 1,700円+税
2017年5月30日四六判並製/184頁/ISBN978-4-88303-440-6


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[目次]

  凡例≒構成と注意 7

はじめに 9

1章 コロニアルなオキナワ 11
  1-1 薩摩藩による植民地化 13
  1-2 近代日本による併呑(「琉球処分」) 17
  1-3 「沖縄戦」前史から不動の不沈空母まで 28
  1-4 戦後を予言した「天皇メッセージ」 32
  1-5 「トリップワイヤー」としての在沖米軍 37

2章 コロニアルなオホーツク 57
  2-1 北海道開拓の歴史的含意 58
  2-2 樺太・千島交換条約の歴史的含意 62
  2-3 日露戦争の歴史的含意再考 65
  2-4 「北方四島」意識の含意再考 72
  2-5 コロニアルな学界 75
  2-6 はやりの「多文化主義」とエコブーム/ツーリズムの背景としてのオリエンタリズム 80
     【補論1:帝国日本によるアイヌ民族文化の動員とその忘却】 84
     【補論2:帝国主義のコピーとしての学術的収奪の輸入】 85
     【補論3:辺境地域に対するオリエンタリズム】 87

3章 コロニアルなオガサワラ 91
  3-1 和人が不在だったオガサワラ 92
  3-2 和人入植の歴史的含意 93
  3-3 敗戦による米国支配時代 98
  3-4 施政権返還以降 100
     【補論4:社会ダーウィニズムがもたらした抑圧移譲としての大アジア主義】 106

4章 コロニアルなニッポン再考 109
  4-1 コローニアエ ヤポニカエ(ニッポンの植民地)再考 110
     4-1-1 多民族帝国としての近代日本の成立 112
     4-1-2 「敗戦=植民地喪失」という共同幻想 113
  4-2 ヤポーニア コローニア(植民地としてのニッポン)再考 118
     4-2-1 親米保守の貢ぎ物にモンクをつけない反米右翼の不思議 118
     4-2-2 絶対平和論により基地固定化/安保維持を補完してしまう左派の逆理 131
     4-2-3 米軍基地の「おしだし要因」と「ひきだし要因」の合力 138
  4-3 二重の意味での植民地空間という時空の直視のために 143
     【補論5:「固有の領土」論批判とその限界】 151
     【補論6:陰謀論的幻影としてのジャパンハンドラーと、 実質的売国奴という皮肉】 152
     【補論7:レコンキスタにおける南千島とそれ以外の 「温度差」】 154

  おわりに:みじかい終章のかわりに 155

  参考文献 164
  索 引 174


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