愛と執着の社会学

ペット・家畜・えづけ、そして生徒・愛人・夫婦

[著]ましこ・ひでのり

ヒトはなぜ愛したがるのか。なぜ愛していると錯覚しがちなのか。教育の一部はまぎれもなく調教であり育児は自己家畜化/ペット化をもたらす。愛着と執着をキーワードに「動物としてのヒト」という根源的本質を解剖するあたらしい社会学。

[書評]
TOKYO FM 『TIME LINE』 「書考空間」 → 『TIME LINE』 サイト(2013/10/30 UPDATE)

定価=本体 1,700円+税
2013年9月10日四六判上製/207頁/ISBN978-4-88303-341-6


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[目次]

     凡例≒構成と注意 8

はじめに 9

第1部 ヒト以外の動物の位置づけ
  1章 ペットへの愛着・執着 15
     1-1 死や別離が喪失感をもたらす、かけがえのない存在 16
     1-2 たべたいぐらいのペット 18
     1-3 愛着の消失と放棄 21
     1-4 巨大なペット市場の現代的意義 25
  2章 家畜とはなにか 29
     2-1 ペットの前身としての家畜(使役動物) 30
     2-2 家畜(使役動物)の活用分野 31
          2-2-1 @A食用・日用品系 34
          2-2-2 BC輸送・耕運系 35
          2-2-3 D〜G実働部隊系 37
          2-2-4 HIナビゲーター/セラピスト系 40
          2-2-5 JK選手/パフォーマー系 41
          2-2-6 Lみがわり系 49
     【2章補足】「動物への配慮」のための基本的知識 53
  3章 えづけと観察の社会学 59
     3-1 えづけの経緯 60
     3-2 「自然観察」の実態 62
  4章 「琉神マブヤー」にみる都市化=非自然化傾向の社会学(3章補論1) 69
     4-1 ローカルヒーロー「琉神マブヤー」の特殊性 70
     4-2 「琉神マブヤー」の含意と矛盾 73
     4-3 都市化と非自然化の含意 78
  5章 捕鯨擁護論と反捕鯨論の社会学(3章補論2) 83

第2部 家畜化/ペット化としての対人イメージ
   6章 調教/しつけの社会学:「生徒」やくわりの再検討 93
     6-1 調教/しつけ/トレーニングの含意 94
     6-2 公教育の含意 97
     6-3 公教育にうめこまれた家畜化 100
     6-4 「教育」という論理にうめこまれた「調教」 104
  7章 制服の社会学(6章補論) 111
     7-1 ポルノの定番テーマとしての「調教」と「制服」 112
     7-2 「拘束感」のSM的魅力 113
     7-3 「拘束感」の魅力の男女差 122
  8章 「親権」をとりまく現代的状況 127
     8-1 所有関係としての家族関係 128
     8-2 「自己家畜化」と養育 129
     8-3 「ペット化」空間としての現代文明社会 131
     8-4 人間存在にとっての不可欠な過程としての「自己家畜化」 134
     8-5 「世代的所有」の一方向性 137
  9章 愛人と恋人と配偶者 145
     9-1 「愛人」という表現の辞書的定義と社会的含意 146
     9-2 「恋人」という表現の辞書的定義と社会的含意 153
     9-3 「夫婦」という表現の社会的含意と「愛人」「恋人」との異同 155
     9-4 「親密圏」でのケアと暴力 164
  10章 ストーキングとアディクション(9章補足) 「愛している」という錯覚と耽溺 169

おわりに 少々みじかめの終章と「いいわけ」的あとがきの癒着 179

     参考文献 192
     索引 197


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