イタリア・ルネサンス美術の水脈
死せるキリスト図の系譜

[著者]塚本博

母の慈愛を受け、その膝で眠る幼児キリストの姿に、未来の「死」の予兆がなぜ読みとられるのか? 描かれた「死」の豊穣なる展開にイタリア・ルネサンス美術に潜む美の水脈を読み解く。

定価=本体 1,942円+税
1994年1月25日/四六判並製/161頁/ISBN978-4-88303-019-4



[目次]
序 6

第1章 東と西の中世美術 9
     1 中世美術の流れ 10
     2 東の死せるキリスト 19
     3 西の死せるキリスト 23
     4 複合体のなかの死せるキリスト 29 

第2章 フィレンツェ・ルネサンス彫刻 39
     1 都市のなかの彫像計画 40
     2 ドナテルロ彫刻の特質 46

第3章 パドヴァのドナテルロ彫刻 53
     1 死せるキリスト浮彫 54
     2 その形成過程 59

第4章 北イタリア絵画の勃興 65
     1 フィレンツェ美術の伝播 66
     2 ムラーノ島のヴィヴァリーニ工房 67
     3 パドヴァのスクァルチォーネ工房周辺 69

第5章 死せるキリスト図の展開 75
     1 スキアヴォーネとドナテルロ 76
     2 ジォヴァンニ・ベルリーニのピエタ 85
     3 カルロ・クリヴェルリの特異性 95
     4 マンテーニャの死せるキリスト 99

第6章 眠れる幼児キリスト――死せるキリストの転成 103
     1 死せるキリストと聖母子 104
     2 眠れる幼児キリストの初期作品 108
     3 祭壇画の変容 114
     4 眠れる幼児キリスト図の波及 120

あとがき 131
注 I
参考文献 XIV
死せるキリスト作品リスト XX
図版出典 XXIII


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