周縁的文化の変貌 
ブルトン語の存続とフランス近代

[著者]原聖

フランスの少数言語のひとつであるブルトン語は、いかにして現代まで生き続けてきたか。言語の継承・存続、変換過程、擁護運動などは文化的にどうとらえられるのか。ことばと社会と文化の関係を解き明かす新たなアプローチ。

定価=本体 2,913円+税
1990年7月30日/四六判並製/286頁/ISBN978-4-88303-002-6
 



[目次]
 まえがき 7
 序章:ブルトン語圏――言語的階層社会のなりたち 12

第1部 書物――伝統をかたちづくる枠組 23
 第1章 ブルトン語宗教書の盛衰 24
     1 出版文化の到来 24
     2 ブルトン語カテキズムの確立と普及 28
     3 時祷書と聖人伝の場合 35
     4 ブルトン語訳聖書の顛末 41
     5  宗教書出版の長期的推移 47
 第2章 民衆文化としての出版文化 56
     1 歌の収集家たち 56
     2 俗謡刷りの世界 62
     3 俗謡刷り出版の推移 73
     4 ブルトン語の暦書と新聞 88
     5 民衆劇としての宗教劇 95

第2部 教育――変動を胚胎する機関 103
 第3章 言語を教える道 104
     1 学校教育の進展 104
     2 ラテン語のための学校 110
     3 フランス語のための学校 115
     4 バイリンガル教育の提案 121
     5 バイリンガルの読本 131
 第4章 フランス語ブルトン語会話帳 142
     1 ベルライモントの会話帳 142
     2  ブルトン語版の登場 150
     3  会話帳の象徴する意味 152

第3部 擁護運動――伝統と変動のはざまで 167
 第5章 擁護運動を準備したもの 168
     1 ブルトン語出版文化の衰退 168
     2  ブルトン語の退潮傾向 181
     3  言語純化運動 189
 第6章 ブルトン語擁護運動 196
     1 擁護運動の誕生 196
     2  擁護委員会の諸活動 203
     3  子どもたちに教えること 212
     4  ケルト的連帯 223
     5 両大戦間期の言語教育運動 226
     6  第二次世界大戦そして戦後へ 243
終章 少数言語文化――敗北せる経済は生き残れるか 254

 あとがき 261
 文献リスト VI
 索引 I


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