著訳者紹介


*データは原則として刊行時のものです*

 

ダリオ・ガンボーニ
Dario Gamboni

ジュネーヴ大学美術史学教授。リヨン第二大学、ケース・ウェスタン・リザーヴ大学(アメリカ合衆国、クリーヴランド)、アムステルダム大学など世界各地で教授経験をもち、東京大学でも教鞭をとった。フランス大学学士院会員。メレート・オッペンハイム賞受賞。CASVA(視覚芸術先進研究センター)、ヘンリー・ムーア研究所、クラーク美術研究所にて特別研究員。展覧会の共同企画多数。おもな展覧会として、「イコノクラッシュ(Iconoclash)」および「モノの公共化(Making Things Public) 」(カールスルーエ・アート・アンド・メディア・テクノロジー・センター、カールスルーエ)、「イメージは別のイメージを隠す(Une image peut en cacher une autre)」(グランパレ、パリ)など。著作も多数あり、代表作は『「画家」の誕生?─?ルドンと文学』(パリ1989、シカゴ2011、東京2012)、『潜在的イメージ?─?モダン・アートの曖昧性と不確定性』(ロンドン2002、東京2007)、『「思考の神秘的内部」におけるポール・ゴーガン』(ディジョン/ロンドン近刊予定)(2013年6月現在)

 

ダリオ・ガンボーニの書籍一覧]

作品とコンテクスト
ルドン《アモンティラードの酒樽》
夢のまた夢

[著者]ダリオ・ガンボーニ
[訳者]山上紀子長屋光枝

この肖像は、はたして何者か。
画家ルドン、
エドガー・アラン・ポー、
あるいは個人を超越した人間像か?
―――しかしそれは、「確定されることはない」。

画家自らが「不確定さ」を強調し、解釈困難として放置されてきたこの素描作品は、近年発見された新史料によりポーの小説を源泉にもつことが判明した。だが、作品は絵画としての自立性を求めて物語を超越し、いずれからも決定されない。本書は、徹底した作品観察にもとづくイコノロジーの視点で画家が幾重にも織り込んだ造形的創意を読みとき、ルドンがついに獲得した高度な「抽象性」への道程を明らかにする。

[書評・紹介]
《読売新聞》「本よみうり堂」 2013年7月14日→「よみうりプレミアム」HP
『美術の窓』「新刊案内」2013年9月号、生活の友社

定価=本体 2,200円+税
2013年6月20日四六判並製/136頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-331-7

潜在的イメージ
モダン・アートの曖昧性と不確定性

[著者]ダリオ・ガンボーニ
[訳者]藤原貞朗

芸術家が意図した以上のものを観る者が読み取り、解釈を行うことは逸脱的な過剰解釈であろうか?────
芸術家が意図した以上のものを観る者が読み取り、解釈を行うことは逸脱的な過剰解釈であろうか? 歪んだ解釈を否定するだけでは問題は解決しない。疑念から生じた数々の解釈の是非を選別する術を手に入れねばならない。そのためには、作品の生成プロセス、コンテクスト、作品受容の研究によって、作者と作品と観る者の間主観的な対峙を試金石とし、作品が惹起した「疑念」のありかを突き止めねばならない。主観的な解釈へと駆り立てた疑惑を否定することなく、危険な解釈を賭けとし、大胆かつ慎重な証明手続きによって、「見る」ことの権利を獲得せねばならない。

[書評]
紀伊国屋・書評空間「高山宏の「読んで生き、書いて死ぬ。」」2007年11月30日→記事を読む

定価=本体 7,800円+税
2007年9月25日/A5判上製/688頁/ ISBN978-4-88303-198-6


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