マン・レイ 軽さの方程式

[著]木水千里

マン・レイ(1890-1976)はダダイスム、シュルレアリスムなど20世紀の華々しい芸術運動の一員として理解されてきた。だが、絵画、写真、オブジェ、映画など、媒体にしばられることなく機智と謎に満ちた創作を続けた彼の思想は、そうした時流を超えたものだった。芸術には進歩がなく、それゆえ自身の作品は永続すると断言するマン・レイ。現代美術の問題を先鋭的に体現する芸術家マン・レイを再定義する。

[書評・紹介]
「月刊美術」2018年8月号「AET BOOK 新刊案内」

定価=本体 4,500円+税
2018年6月30日A5判上製/384頁/ISBN978-4-88303-459-8


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[目次]

序論  7

1 部 マン・レイの非芸術的活動  15
   1 章 モード写真 ――境界の芸術家  16
   2 章 ポートレート写真 ――芸術界への参入のための戦略  48

2 部 シュルレアリストとしてのマン・レイ受容  77
   1 章 シュルレアリストの写真理解  78
   2 章 写真キャプションとしてのシュルレアリスム  107

3 部 芸術の価値基準 ――フランス・ドイツ・アメリカのモダニズムとポストモダニズム  131
   1 章 一九二〇・三〇年代のマン・レイの写真についての記事を通してみるフランス型モダニズム  132
   2 章 マン・レイのレイヨグラフとモホリ=ナジのフォトグラムの比較から考察するドイツにおけるモダニズム  154
   3 章 一九七〇年代以降のマン・レイの再評価からみるアメリカ型モダニズムとポストモダニズム  174

4 部 マン・レイにおける芸術の価値基準  193
   1 章 永続する作品 ――映画作品とモード写真をやめた理由  194
   2 章 一九六〇年代の作品を永続させる方法 ――一九六六年の大回顧展にみる歴史化の拒否  216
   3 章 一九七〇年代の作品を永続させる方法 ――晩年のレプリカ制作と「アルファベット」三部作  248

5 部 結論 美術史におけるマン・レイの位置づけ ――抽象と具象のトランス・アトランティック  291

あとがき  323

   註  1
   参考文献  39
   引用図版出典  54


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