批判的談話研究とは何か

[編]ルート・ヴォダックミヒャエル・マイヤー
[訳]野呂香代子神田靖子
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日常に溢れるメディアなどの談話的実践が、いかにして社会階級間、男女間、民族的・文化的な多数派・少数派の不均衡な権力関係等を生産し、再生産しているのか。批判的談話研究は、構成的、問題指向的、学際的なアプローチによって、そうした社会的現状を明らかにし、変革するための示唆を与えてくれる。(本書は、その理論的背景を解説し、「社会的実践」としての談話を批判的に研究するための入門書である本書は小社刊『批判的談話分析入門』の原書第 3 版となる。タイトルも変更され、内容も大幅な改訂、また時代状況に応じた追加がなされている。)

定価=本体 3,800円+税
2018年4月10日A5判並製/416頁/ISBN978-4-88303-453-6


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[目次]

序  XII

第 1 章 批判的談話研究:歴史、課題、理論、方法論  001
ルート・ヴォダック/ミヒャエル・マイヤー(野呂 香代子/訳)
   批判的談話研究とは何か?  002
      「研究仲間」の略歴  005
      共通基盤:談話、批判、権力、イデオロギー  007
      談話という概念  008
      批判の原動力  009
      イデオロギーと権力―絶えず変化する見方  011
   研究課題  018
   方法論的問題:理論、方法、分析、解釈  019
      理論的基礎と目的  023
      批判的談話研究の主なアプローチ  025
      データ収集  029
   まとめ  030

第 2 章 ディスコースの歴史的アプローチ( DHA )  033
マーティン・ライジグル、ルート・ヴォダック(神田 靖子/訳)
   キー概念と用語の紹介  034
      「批判」「イデオロギー」「権力」  034
      「ディスコース」「テクスト」「コンテクスト」  038
   DHA の基本的考え方と分析のためのツール  044
   「気候変動に関するディスコース」の分析  048
      8 つの段階を踏む DHA 048
      気候変動についてのオンラインニュース記事に関するパイロット・スタディ  051
      ステップ 1 :先行する理論的知識の活性化および参照  051
      ステップ 2 :データと文脈情報の体系的収集  053
      ステップ 3 :詳細な分析のためのデータの選定と準備  055
      ステップ 4 :研究課題の詳細な記述と仮説の定式化  055
      ステップ 5 :質的パイロット分析  058
      ステップ 6 :詳細なケース・スタディ  078
      ステップ 7 :批判の定式化  079
      ステップ 8 :詳細分析の結果の応用  080
   まとめ  080
      もっと知りたい人のための文献案内  081
      課題  081
   付録: 24 本の投稿  083

第 3 章 批判的談話研究:社会認知的アプローチ  089
テウン・ A ・ヴァン・デイク(嶋津 百代/訳)
   用語と定義  090
   談話―認知―社会の三角形  090
      事例: 2014 年の欧州議会選挙における人種差別主義的プロパガンダ  092
   認知的構成要素  094
      談話処理  095
      知識  097
      態度とイデオロギー  098
      認知的構成要素の妥当性  099
   社会的構成要素  100
      権力と支配  101
   談話の構成要素  103
      談話の構造  103
      談話のイデオロギー的構造  104
   構成要素の統合  107
   抵抗のディスコース:ブラジルにおける人種差別反対主義のディスコース  108
      人種差別主義  109
      人種差別反対主義  109
      人種差別反対主義の理論  110
      ブラジルにおける人種差別主義  111
      ブラジルの人種差別反対主義の談話  112
      人種平等法に関する討論  113
      人種差別反対主義の談話の分析  114
           自己提示  115
           集団についての描写  116
           イデオロギーの二極化:わたしたち対かれら  118
           規範と価値観  120
           論拠  121
   まとめ  122
      さらに知りたい人のための文献  123
      課題  124

第 4 章 社会研究における批判的ディスコース分析の弁証法的関係アプローチ  125
ノーマン・フェアクラフ(高木 佐知子/訳)
   理論と概念  126
   適用分野  131
   方法論  132
      ステージ 1  記号作用的側面における社会問題に焦点を当てる。  133
      ステージ 2  社会的不正に取り組む際の障害を明らかにする。  136
      ステージ 3  社会的秩序がこの社会的不正を「必要としている」のかどうかを考える。  137
      ステージ 4  障害の克服可能な方法を見いだす。  138
   分析例:政治ディスコース分析  139
   例証:政治テクストを分析する  143
      ステージ 1  記号作用的側面における社会的不正に焦点を当てる  143
      ステージ 2  社会的不正に取り組む際の障害を明らかにする。  144
      ステージ 3  社会的秩序がこの社会的不正を「必要としている」のかどうかを考える。  153
      ステージ 4  障害の克服可能な方法を明らかにする。  153
   まとめ  155
      さらに知りたい人のための文献  157
   付録 1 :情報主導型経済の構築  157
   付録 2 : Brown and Coates ( 1996 )からの抜粋  159

第 5 章 談話と装置を分析する:フーコー派アプローチの理論と方法論  161
ジークフリート・イェーガー/フロレンティン・マイヤー(野呂 香代子/訳)
   はじめに  162
   談話分析、装置分析の理論的基礎  163
      談話という概念  163
      談話と現実  164
      装置  165
      談話と権力  171
      批判および批判的談話分析の目的  174
   談話分析、装置分析のための方法  176
      談話と装置の構造  176
           特別談話( special discourses )と間談話( interdiscourse )  177
           談話の束( discourse strands )  177
           談話の限界、そして、談話の限界を広げたり、狭めたりするさまざまな技術  178
           談話片( discourse fragments )  178
           談話の束の絡み合い( entanglements of discourse strands )  179
           集合シンボル( collective symbols )  179
           談話レベルとセクター( discourse planes and sectors )  180
           談話的出来事( discursive events )と談話のコンテクスト( discursive context )  181
           談話のポジション( discourse positions )  182
           全体的な社会的談話( overall societal discourse )とグローバルな談話( global discourse )  183
           談話の束の過去、現在、そして未来  184
      談話分析の完全性について  185
      談話分析の小さな道具箱  185
           研究テーマを選ぶ  185
           談話レベルとセクターを選び、その特徴を記述する  186
           資料の入手と準備  187
           分析  187
             談話の束の構造分析( structual analysis )典型的な談話片の詳細分析( detailed analysis )/             総合分析( synoptic analysis )
      装置分析に関するいくつかの考察  191
          非言語的に行われる実践に関する知  192
          物質化に関する知  193
   まとめ  195
      さらに知りたい人のための文献  196
      課題  197

第 6 章 社会的実践の再コンテクスト化としてのディスコース:1つの手引き  199
テオ・ヴァン・レーヴェン(木部 尚志/訳)
   序論  200
   理論的な背景  203
   ディスコースと社会的実践  206
      行為( Actions )  206
      遂行の様式( Performance modes )  207
      行為者( Actors )  207
      呈示様式( Presentation styles )  207
      時間( Times )  208
      空間( Spaces )  208
      資源( Resources )  208
      資格( Eligibility )  209
      除外( Deletion )  209
      代用( Substitution )  209
      追加( Addition )  210
   社会的行為  216
      行為と反応( Actions and reactions )  216
      有形的な行為と記号論的な行為( Material and semiotic action )  217
      客体化と記述化( Objectivation and descriptivization )  219
      脱主体的行為化( De-agentialization )  219
      一般化と抽象化( Generalization and abstraction )  220
      過剰決定( Overdetermination )  221
   まとめ  225
      さらに知りたい人のために  226

第 7 章 抑制と均衡:コーパス言語学がいかに CDA に貢献できるか  227
ゲルリンデ・マウトナー(梅咲 敦子/訳)
   はじめに  228
   中心的概念と一つの実践例  232
      コンコーダンス作成ソフトウェア  232
      コーパスデザインの問題  238
      コーパスの種類とデータ収集  240
      参照コーパスを使った解釈のサポート―二つ目の実践例  243
   批判  250
      1. 技術的隔たりと標準化の欠如  251
      2. 組織上の壁  252
      3. データ収集における誘惑との戦い  252
      4. 脱コンテクスト化された(文脈と切り離された)データ  253
      5. 言語刷新  254
      6. 認識論的課題  255
   まとめ  259
      さらに知りたい人のための文献案内  260
      課題  261

第 8 章 視覚的・マルチモーダルなテクストの批判的分析  265
デニス・ジャンクサリー、マルクス・ A ・ヘレラー、レナーテ・マイヤー(石部 尚登/訳)
   はじめに  266
   マルチモーダルなディスコースとは何か  266
   マルチモダリティの批判的談話分析への適用可能性  269
      「批判的」の意味について  269
      批判的談話分析へのマルチモダリティの貢献  270
   先行研究と代表的研究  273
      マルチモーダルなディスコースに潜む権力や利害関係を「明るみに出す」  274
      周縁化された主体に発言権を与えるためにマルチモーダルなディスコースを用いる 275
   分析手順の紹介  278
      マルチモード分析の手法についての留意点  278
      方法論の紹介  279
      2 つの代表的なマルチモーダルなテクストの分析  280
           第 1 段階 ジャンルを特定する  280
           第 2 段階 明示的な内容を捉える   286
           第 3 段階 潜在的な要素を再構築する  288
           第 4 段階 構成  291
           第 5 段階 結論と批判的評価  293
      大規模なサンプルを用いた分析へ  295
   まとめ  296
      さらに知りたい人のための文献  298
      課題  298

第 9 章 批判的談話研究とソーシャルメディア:メディアの生態の変化における力、抵抗、批判  301
マジード・コスラヴィニック、ヨハン・ W ・ウンガー(義永 美央子/訳)
   はじめに  302
   CDS の原則とソーシャルメディア  305
   コミュニケーションの力とソーシャルメディア  309
   ソーシャルメディアへの批判的談話アプローチの緊急適用  312
   ケーススタディ 1 :政治的な抵抗に関するフェイスブックの「フォーカスグループ」の実施  320
   ケーススタディ 2 :電子的に媒介された抗議活動におけるテクノロジーと多言語主義の役割  330
   まとめ  340
      さらに知りたい人のための文献案内  343
      課題  344

用語解説  345
参考文献一覧  353
訳者あとがき  376
索引  379
      執筆者者紹介  394
      訳者紹介  398


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