新編 下田歌子著作集  婦人常識訓

[著]下田歌子
[監修]実践女子学園下田歌子研究所
[校注]伊藤由希子

女子教育の先覚者、下田歌子が女性のほんとうの幸せを願って書き残した娘、妻、母そして一個の人としての心得。
「新編 下田歌子著作集」について……明治から昭和にかけて日本女性の生き方を真摯に考え、論じた下田歌子。女性のより一層の活躍が求められる現在、その多くの著作の中から、現代の日本の社会に資するところが大きいものを「新編下田歌子著作集」として刊行する。

定価=本体 4,500円+税
2016年3月20日
四六判並製/520頁/ISBN978-4-88303- 404-8


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[目次]

はしがき  13

第一章 現代婦人の覚悟  17
   一 上古婦人の位置は如何  18
   二 中古婦人の位置は如何  23
   三 近古婦人の位置は如何  26
   四 現代婦人の位置は如何  35
   五 時代の要求する婦人  40
   六 現代婦人の覚悟  46

第二章 婦人と慈恵  58
   一 婦人の特長は何ぞ  58
   二 父の厳命よりも母の慈訓  60
   三 戦場における婦人の慈恵  64
   四 盛り場における止め女  68
   五 男子の勇気と女子の慈心  70
   六 社会の事業と婦人の慈恵  72

第三章 婦人と勇気  78
   一 勇気は品性の骨格  78
   二 進んで取るも勇、退いて守るも勇  82
   三 真の勇気と偽の勇気  87

第四章 婦人と信念  94
   一 安心なる生涯を求めよ  94
   二 正しい判断から得たところの確信  99
   三 婦人は信念の力が強い  100
   四 夢から夢に入りて醒めざる婦人  106

第五章 婦人と宗教  112
   一 老子の口吻を真似るようなれど  112
   二 日本の神様と欧米の神様と  118
   三 宗教は決して無用のものではない  123
   四 宗教の婦人に及ぼした影響  126

第六章 婦人と教育  131
   一 女子教育の目的は那辺にあるか  131
   二 完全なる国民としての婦人(賢母良妻主義と人格主義)  139
   三 女子の高等教育  146

第七章 婦人と常識  152
   一 昔は常識とは言わず  152
   二 女学校出身者はなにゆえに常識に乏しと言わるるか  156
   三 常識はいかにして得べきか  160

第八章 婦人と学問  164
   一 女子の生学問ということ  164
   二 男と女との学問の差異  168
   三 真の学者としての婦人  172
   四 婦人と文学  176

第九章 婦人と職業  183
   一 やむをえずして執る職業  183
   二 日本には両方面を調和した職業がある  189
   三 婦人はある意味において一大職業を持つ  195

第一〇章 婦人と手芸  204
   一 手芸は婦人に天与のものなり  204
   二 婦人のたしなみとしての手芸、専門家としての手芸  209

第一一章 婦人と礼法  215
   一 礼は文明の尺度  215
   二 自由な国の不自由と、不自由な国の自由と  220
   三 虚礼と虚飾と――礼法の精神  226

第一二章 婦人と音楽  231
   一 人類は音楽的動物  231
   二 婦人と音楽の関係  236
   三 邦楽と洋楽と  239

第一三章 婦人と遊芸  245
   一 誤解されたる遊芸  245
   二 遊芸が品性に及ぼす影響  250
   三 遊芸の選択  254

第一四章 婦人と装飾  258
   一 婦人は社交の花  258
   二 美に捕らわれたる婦人  265
   三 外貌の美と精神の美と  272

第一五章 婦人と交際  279
   一 人は交際的動物である  279
   二 婦人社交熱の消長および得失  285
   三 いわゆる青年男女の交際  291

第一六章 婦人と趣味  299
   一 雅やかなるふるまい  299
   二 趣味と実益  309

第一七章 婦人と衛生(附家内衛生の概要)  317
   一 婦人は家庭の衛生係である  317
   二 病に罹らせないのが第一の目的 罹ってからの看病は第二の手段  321
   三 衛生上より見たる衣食住  325

第一八章 婦人と経済  334
   一 世帯持ちの善き婦人  334
   二 時間の経済と労力の経済  341
   三 経済の点から見た衣食住  346

第一九章 理想と現実  352
   一 宇宙問題と人生問題  352
   二 現実の地に足をたてて理想の天に頭をつけよ  358
   三 芸術の宮  363

第二〇章 希望と快楽  369
   一 過去の悲しみにのみ耽る人  369
   二 希望と快楽とは人格によって上下するもの  374
   三 快楽そのものを希望とする人  382

第二一章 婦人と結婚問題  387
   一 結婚の目的  387
   二 結婚の制度  393
   三 夫の選択  401

第二二章 婦人の長所と短所  411
   一 体格の上から見た長所短所  411
   二 精神上から見た長所短所  416
   三 女性に適する三大事業  422

第二三章 主婦として妻として  424
   一 これこそ真の分業である  424
   二 家庭の円満は主婦の徳  430
   三 妻としての修養  436
   四 婦人と服従の徳  443

第二四章 母として  448
   一 母親たる責任はいつから負うか  448
   二 愛児は母乳にて育てよ  455
   三 白金も黄金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも  460
   四 母の感化と子の感化  466
   五 母親たる資格  470

第二五章 女として  474
   一 女児はなぜ男児よりもいっそう孝行せねばならぬか  474
   二 女時代は修養の時代  477
   三 理論よりむしろ実地が大切  481

第二六章 国家と婦人  490
   一 皇室と臣民 国家と国民  490
   二 婦人も国法を知らねばならぬ  497
   三 国家の事変と婦人  502

     解説  伊藤由希子  513


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