右手と頭脳
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー《兵士としての自画像》

[著者]ペーター・シュプリンガー
[訳者]前川久美子

「芸術家と手」の文化史────
ドイツ表現主義を代表する画家キルヒナーがあえて右手を切断した姿で描いた自画像。「切られた手」というこのショッキングなモティーフの背後には、芸術家の創造力の象徴として「右手」を強調する連綿とした伝統がある。

[書評]
《朝日新聞》2010年9月26日、評者:横尾忠則氏

定価=本体 2,800円+税
2010年7月25日/A5判上製/232頁+カラー口絵8頁/ISBN978-4-88303-270-9


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[目次]

日本語版の読者のみなさまへ──エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーと美術家グループ〈ブリュッケ〉 5
序 15
自分自身を見つめること 19
《兵士としての自画像》──ディスクリプションと歴史 24
これまでの批評と解釈 32
歴史的伝記的背景──キルヒナーの兵役時代 42
キルヒナーのほかの作品──一九一五年から一九一七年 67
戦争参加の願望と拒絶 83
規範的受難者としての芸術家 91
切り落とされた手のモティーフ──手術を超えて 109
戦争プロパガンダ図像としての切断された手 117
画家の失われた手 136
デューラーの追従者としてのキルヒナー 153
手のないラファエッロ 160
エピローグ 178

訳者あとがき 181

注 1
主要参考文献 26
図版リスト 35
人名索引 41


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