レンブラントのコレクション
自己成型への挑戦

[著者]尾崎彰宏

「人間が蒐集するのはつねにその人自身」(ボードリヤール)であるとするなら、レンブラントがその財をつぎ込み、生涯を通じてなしたコレクション―膨大な数の絵画・版画類、武具甲冑、博物学的物品、服飾品―からは彼の芸術の本質が見えてくる。

定価=本体 2,800円+税
2004年4月25日/A5判上製/302頁/ISBN978-4-88303-135-1

 


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[目次]
プロローグ 7
 1 「美術陳列室」  7
 2 自己言及性の美学 12

第1章 名声への戦略 ――カーレル・ファン・マンデルの継承者 15
 1 高級職人としての画家 15
 2 〈ハールレム・アカデミー〉の芸術的意義 18
 3 〈ハールレム・アカデミー〉にこめられた<RUBY CHAR="政治性","ポリティーク"> 26
 4 変貌する画家組合 39
 5 レンブラントの〈アカデミー〉 41

第2章 ヌードの美学 ――《ダナエ》をめぐって 49
 1 凌辱された《ダナエ》 49
 2 芸術論の主戦場としての「ダナエ」 51
 3 レンブラントのヌード 60
 4 「女性の力」  69
 5 新しきアペレス 83

第3章 メランコリーの画家 89
 1 《ブルジョアに扮した自画像》 89
 2 陰影とメランコリー 95
 3 陰影とヴァニタス 100
 4 サスキアを描いたデッサン 110
 5 サスキアを描いたエッチング 119
 6 メランコリーに魅せられたレンブラント 123
 7 レンブラントとサスキア 127
 8 自己意識のイメージ 130

第4章 南北ヨーロッパ芸術の主宰者 ――《宮廷人に扮した自画像》をめぐって 133
 1 画家はおのれ自身を描く 133
 2 《宮廷人に扮した自画像》 136
 3 もう一つの自画像―一六三九年のエッチングとの比較 140
 4 ラファエッロとティツィアーノ 141
 5 北方の画家とイタリア・ルネサンスのライバル 148
 6 《宮廷人に扮した自画像》のインパクト 156
 7 ヴァーチュオーソとしてのコレクション 158

第5章 レンブラントのコレクション ――観念の体系から歴史のまなざしへ 163
 1 コレクションの評価 163
 2 レンブラントの家―時空間の表象 166
 3 コレクションの形成 ―その戦略と理念 170
 4 ネーデルラント美術の栄光―その継承者の使命 177
      1 リューカス・ファン・レイデンへのオマージュ 177
      2 風景画家ピーテル・ブリューゲルとの競争 184
 5 異境世界への視線―東洋への憧憬 192

第6章 想像の共同体 ――東洋への夢 199
 1 知のインターフェイス 199
 2 《貝殻》の世界 201
 3 貝殻のシンボリズム 205
 4 消費としてのコレクション 211
 5 憧憬の地への誘い 220

第7章 画聖アペレスを超えて 《ふたつの弧のある自画像》 225
 1 いわゆる「ふたつの弧」 225
 2 トロンプ・ルイユ批判 231
 3 精神の自画像 234

エピローグ 237
 1 破産後の蒐集活動 240

あとがき  243

年表  248
レンブラントの財産目録  262
註  292
人名索引  300


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