[増補版] 植民地支配と日本語
台湾、満洲国、大陸占領地における言語政策

[著者]石剛

神になった日本語───
日本語はなぜ「神」になったのか。植民地支配のなかで「日本語の普及」とは、どんな意味を与えられていたのか。戦前・戦中の言語政策の実体を明らかにするとともに、そこに映しだされる日本人の言語観との関係を問う。
(1992年刊初版に増補)

定価=本体 2,500円+税
2003年1月31日/四六判並製/256頁/ISBN978-4-88303-107-8



[目次]

目次
刊行によせて(初版)  田中克彦 3
序論 日本の植民地言語政策とは 11

第1部 日本語普及政策の歴史的展開 25
 第1章 台湾における日本語普及政策 26
     1  発端 26
     2  台湾の日本語教育の歴史的展開 30
     3  伊沢修二の政策構想と理念 35
     4  台湾人と日本語 42
 第2章 満洲国における日本語普及政策 48
     1 満洲国の「国語」 48
     2 新学制と国語政策の背景 56
     3 満洲国の統治政策 60
     4 社会教育と語学検定 63
     5 満洲仮名と協和語 68
     6 日本語普及の裏側 76
     7 関東州の日本語 79
 第3章 大陸占領地における日本語普及政策 84
     1 日中戦争以前の日本語 84
     2 日中戦争と興亜院の日本語普及政策 91
     3 興亜院の教員派遣と日本語教育振興会 99
     4 日本語普及の実態 106

第2部 「神」になった日本語 115
 第4章 日本人の言語観 116
     1 日本語イデオロギーにおける「言霊」 116
     2 宗主国家語 130
 第5章 日本語への視点 142
     1 日本語とはどういう言語か 142
     2 輸出用日本語 158
     3 文化語と生活語 170
 第6章 日本語と他言語のあいだ 182

補論 日本の植民地言語政策の特質 198
     1 日本語イデオロギー 199
     2 国家的、軍事的支配との癒着 204
     3 日本の言語政策の多元性 209
     4 日本語学校 211

増補 ポスト植民地主義と日本の言語学的状況―宗主語と隷属語 218
     1 「国語」の周辺 218
     2 宗主語と隷属語 224
     3 「日本語の勝利」 234

あとがき 241
増補版 あとがき 244
参考文献 251


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