アスコーナ 文明からの逃走
ヨーロッパ菜食者コロニーの光芒

[著者]関根伸一郎

スイス南端アスコーナで20世紀初頭に出発した菜食者コロニーは、今日のエコロジー・自然療法・生活改善運動につながる実験的試みであり、また現代文学・芸術・思想運動の揺籃の地でもあった。その源流と興亡をエピソード豊かに展開。

定価=本体 2,500円+税
2002年6月27日/四六判上製
/184頁/ISBN978-4-88303-098-9



[目次]
序説 文明病からの「逃避」 5
  1 文明への嫌悪と自然への逃走 6
  2 サナトリウムの時代 12
  3 晩年のカフカとサナトリウム 14

1部 アスコーナの光と影 25
  4 菜食者コロニーへの夢 26
  5 約束のアスコーナ 29
  6 生活改善への一歩 39
  7 コロニーに深まる亀裂 53
  8 アスコーナ共同体の地盤固まる 63
  9 好景気を呼ぶエダンコヴァンの事業 72
  10 そのごの「モンテ・ヴェリタ」 80

2部 アスコーナの時代とその周辺 89
  11 自然へのノスタルジー 90
  12 フンボルトとゲーテの自然観 92
  13 工業化の波と新たな理想郷 94
  14 菜食者コロニーの登場 96
  15 新たな母権制理想郷への誘い 97
  16 表現主義のアポカリプセ 99
  17 父親殺し・カインの末裔そして精神分裂 101
  18 患者グロースをめぐるフロイトとユングの確執 112
  19 ミューザムと彼をめぐる人々 116
  20 ボヘミアンの女王ツー・レーヴェントロー 121
  21 ヘルマン・ヘッセと殉教者グストー 124
  22 神智主義とアスコーナ 136
  23 チューリヒ・ダダと「時代からの逃走」 141
  24 ジョイスとユング 148
  25 フリーダとD・H・ロレンスの焔 152
  26 ラバンの舞踏集団とアスコーナのスペクタクル 157
  27 アスコーナのそのごの経営者 160
  28 アスコーナ以後 170
  29 ナチズムとエコロジー 171
  30 「エラノス会議」とアスコーナ 174

著者あとがき 177
参考文献 180


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