たたかいの社会学 悲喜劇としての競争社会

ましこ・ひでのり/著
●本体2500円+税

四六判並製/310頁/ISBN 4-88303-069-5

はじめに

1 なにと「たたかう」のか?
  1 予想ゲームに「かつ」
  2 困難な状況に「かつ」、なにかを「まもる」
  3 記録を「やぶる」、記録に挑戦する、限界に挑戦する
  4 ゲーム/レース/裁判に「かつ」
  5 はりあい、みせびらかしあい

2 競争/ゲームのパラドクス
  1 結果論としての「つよさ」と、観衆
  2 トーナメントの証明する「つよさ」、リーグ戦の証明する「つよさ」
  3 帰納法的な「つよさ」の証明と、「実力格差」
  4 勝敗は、なにをモノサシとしているか?
  5 「つよさ」による序列の証明は、なんのためになされるのか

3 相対評価=序列主義の逆説
  1 相対評価による配分過程としての公教育
  2 専門職資格のパラドクス
  3 選抜試験の非合理
  4 総和主義選抜原理の矛盾
  5 虚無主義的消去法としての相対評価

4 業績原理の背後の官僚制、大量生産、社会ダーウィニズム  相対主義、流体思考、ディジタル化
  1 神なきあとの秩序、貴族なきあとの序列
  2 「流体」=量的資源としての人材
  3 ディジタル化作用としての「シキリ」   連続体の権力的切断と恣意性
  4 「なきねいり」させる権力
  5 「優勝劣敗」「適者生存」という合理化   社会ダーウィニズム

5 あいてを自分の土俵にあげる
  1 「異種格闘技戦」
  2 ルールを自分用に、しくむ、あるいは「改正」する
  3 あいてを自分の文脈にひきこむ
  4 専門職による文脈支配   コドモの幼児あつかい/成人のコドモあつかい
  5 密室空間   「なきねいり」の温床
  6 「無知はちからである」
  7 戦意のないものを「土俵にあげる」
  8 植民地主義という「土俵」
  9 支配は必要悪か?

6 擬似的生物学イメージによる秩序
  1 生得的要素の検討
  2 年令秩序を軸に
  3 性別という軸から

7 やくわり秩序
  1 「少女」という社会的やくわり   保護対象から寄生への反転
  2 芸能人/スポーツ選手/棋士などによる代償行為と、嫉妬心
  3 「専門家」という権威主義的偶像   大学人ほか教員を中心に
  4 警官/軍人など権力の体現者=秩序のプロモーター   「ちち=唯一神」の幻影

8 優先順位  おいこし、わりこみ、まちぼうけ
  1 特別あつかい   救急車、先導車、「お召列車」、専用機などを参考に
  2 「わりこみ」ありの「先着順」原理   行列、自動車レースなどを参考に
  3 全能感と「わりこみ」
  4 人命における優先順位   経済的評価と脳死を参考に
  5 「優先順位」判定の政治性と、テクノクラシーの洗練

あとがきにかえて  たたかいを「陣痛」「必要悪」とみなす呪縛からのがれるために

参考文献

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