作品とコンテクスト
《ウィーン創世記》
絵で読む聖書の物語

[著者]カルル・クラウスベルク
[訳者]加藤哲弘

装飾写本研究からたどる美術史学のながれ

旧約聖書「創世記」の物語が描かれたこの装飾写本には、同じ人物がくり返し同じ場面に登場するという奇妙な描写が用いられている。この描写を発想の源に、多くの美術研究家が絵の内容を「読み解く」ことについて思考してきた。

定価=本体 2,200円+税
2000年3月31日四六判並製/112頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-050-7

 

[目次]

序論 「絵を読むこと」のむずかしさについて5
第1章 モデルケース――古代の奇妙な橋の上で展開される、動きにみちた聖書の場面15
第2章 さまざまな視点――見ることの専門家たちと「ものの見方の歴史」33
第3章 時間のとらえ方――意識の流れにそって続く岸辺の光景と「連続する様式」45
第4章 境界を越えること――「絵で読む文学」における継起的なものの共存65
第5章 像を思い浮かべる能力――受動的な網膜印象から能動的な像の思考へ81
第6章 画面を分解すること 切り抜きと合体――イコノグラフィーによるコラージュの解体101
第7章 全体をふりかえって――感度を高めた「美術史学」の可能性と目標115

訳者解説125
用語解説145
《ウィーン創世記》に登場する人物の解説148
参考文献150


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